このような患者様にお勧めします
- 飲み薬や点鼻スプレーをしても症状が改善しない方、または不十分な方
- 飲み薬での眠気の副作用が強い方や、薬の量を減らしたい方
- 手術による治療(鼻レーザー手術、鼻中隔矯正術など)を避けたい方
- 今後、妊娠を考えられている方(妊娠中、授乳中の薬の減量効果があります)
- 今後、ダニ以外のアレルギー物質への感作も避けていきたいと考えている方
舌下免疫療法
Sublingual immunotherapy
スギ花粉症の方やダニアレルギーの方に対し、体に対してアレルギー反応を起こす物質を体内に徐々に入れていき、体をそのアレルギー物質になれさせてしまう体質改善の治療法です。
かつては、スギやダニの成分を皮下に注射して治療の継続には労力と根気が必要でした。2015年に舌の下に薬を入れて治療を行う舌下免疫療法が登場し、免疫療法が”皮下注射”から”舌下”に代わり、免疫療法へのハードルが下がり、より身近なものになっています。
まず当院にて問診と血液検査で、アレルギーの原因(アレルゲン)を確かめます。
投与する薬剤(アレルゲン)は約一週間内服後に増量します。副作用に対する対応を考慮し、初回投与は医療機関内で行い、その後30分間は医師の監視下で待機します。
翌日(2日目)からは、自宅で患者様自身が投与しますが、日中や家族のいる場所での投与が推奨されます。
通院期間は最低3年間(3~5年が推奨されています)、原則月に1回の受診が必要となります(初回は約1週間後、2回目は約2週間後の再診が必要です)。
効果が確認できない方も1割ほどいらっしゃいますが、治療開始後、最初のスギ花粉飛散期まで(できれば2シーズン後まで)治療を行い、効果を確認することが望まれます。
また、投与を長期中断した後、再開する場合は、医師に相談する必要があります。
内服開始1ヶ月の間は、服用後の軽微な副作用(口やのどの違和感、口の中の軽度の腫れ)がみられることがありますが、これらの副作用は投与後数時間で自然に回復することが多いです。
舌下免疫療法でのアナフィラキシーショックの報告はありますが、死亡事故は発生していません。初期の軽度副作用を心配しすぎずに治療を継続することが重要です。
投与部位である口腔内の腫れ、痒みなどが最も多くみられます。特に、投与後少なくとも30分間、投与開始初期のおよそ1ヶ月間などは注意が必要です。
これらの副作用は投与後数時間で自然に回復することが多いのですが、症状が長時間持続する場合は、医師に相談してください。
また、アナフィラキシーなど重篤な症状が起こる可能性もあります。アナフィラキシーと考えられる症状が発現した際は、直ちに医療機関を受診するなど迅速な対応が必要です。
坂口耳鼻咽喉科では、指先からの簡単な採血をするだけで20分で結果がわかるアレルギー検査を導入しております。
注射が苦手な小さなお子様にもお勧めです。
お気軽にご相談ください。